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くらしのデザイン室①『四角じゃなくてもいいじゃん。』

> 2005年 8月10日  P49 掲載 (連載開始)
 ・ リヴァープレス社  
  すこやかな暮らし発見、岩手から。 『家と人。』 VOL.11 
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くらしのデザイン室①
『四角じゃなくてもいいじゃん。』

 川の側の行き止まり。しかも異形な土地。そこが今回のお話の住まいです。きっかけは…。

 「家を建てたい!」

 1つ下の高校時代の後輩が、突然私に言った。この業界に入って7年。友達の家に彼女が遊びに釆ていて「先輩ですよね」と言われてから5年。何もそんな素振りなどなかったのに。

 「えっ」と驚く私に、「私も35歳だし、建てるなら現在しかないのかなと思って」と。

 彼女は3姉妹の長女。次女は嫁ぎ、三女は独立し、家を出た。築30年。お母さんが頑張って15年前に購入した中古住宅だったが、なかは暗くジメジメしていた。5年程付き合っていたが、家を訪れたの
は、建てるという決意を聞いてから。お父さんを早くに亡くし、女手一つで3姉妹を育てた母へ娘が恩返しをしてあげたかったのだろう。すごい決意だと感心。だからこそ家に居るのが楽しい、明るい、
使いやすい住まいを一緒に創りあげたいと思った。

 自分がその家の主婦になった時に、快適に過ごしたい・・・が、私のプランの基本。

《玄関》
 その家の顔となる。玄関だけで帰る訪問者もいる。だからほんの少しゆとりがほしい。季節のちょっとしたものを飾れる壁厚利用の正面棚とベンチ。外仕事の合間に休みながら玄関先のお茶のみ話も楽しい。家にあがらなくてもあげ
てもらった気持ちになる。

《玄関脇の和室》
 お母さんの部屋は、帰りのまちまちな娘の気配が感じられるように。リビングでの物音が何気なく感じられる様に。家族の気配が感じられる方が温かい。

《洗面台》
 脱衣室より出してみる。朝、顔を洗う時も洗濯や朝シャンも脱衣室でぶつからない。夜のお風呂も歯みがきも問題ない。友達が来たってへっちゃら。キッチンや脱衣室内の乱雑さを気にして慌てなくても済む。

《建具》
 高断熱・高気密住宅は閉めなくて良い。その方が換気も空調もコストも便利。トイレや寝室。物置など必要な所にだけあれば良い。あるのが当たり前でなく、無いのが当たり前。どーしても必要な時は、後付け。きっといらないよ。

《収納》
 楽しむ。詰め込む収納なんてナンセンス。見せる収納は片付けが楽しくなる。センスもみがける。レイアウトも簡単に出来る。使える空間はたっぷり。

《庭》
 川の水や換地を利用しながら畑を作っていたお母さん。身体が弱く家に居ることが多い。だから川をながめ、いままで以上に自分の作った畑の実りを見て楽しめるように。すぐ庭に降りて食材を採りに行ける。自生の蕗やなし。無花果。畑のナス、ピーマン、ししとう、玉、じゃが芋、トマトに胡瓜。お父さんの仏壇に供える季節の花々。ガーデニングではなく、生活の必需品を作る。

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by shinwasouken | 2005-08-31 15:44 | 連載-家と人。
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あなたの住まいを一緒に育てたい


by shinwasouken
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